時雨です。@shig645_toushi
※これからお話することは時雨の個人的見解を含んでおります。
会社を代表してでの発言ではないことを了解ください。
表題の通り、弊社は『雇用調整』を開始することになりました。
雇用調整については厚生労働省のサイトをご覧ください。
正確に言うと、『雇用調整助成金の申請をする』ということになります。
資金繰りに瀕している会社向けの国による制度です。
弊社は今年の6月末までの措置ですが実施することになりました。
具体的には社員の出勤日数を減らすことで、人件費の削減を図ることが狙いです。
国の基準では日給の6割を支給するのですが、弊社ではそれでは生活に支障が出るとのことで日給8割支給としました。
この記事を書こうとしたきっかけはめぐるさん@fpmeguruが以下のツイート及びブログ記事を記載していたことです。
会社や私の周りで起きている出来事について、少し気になったので書いてみした。
コロナウイルスと雇用について。中小企業の人事担当が見る、コロナウイルスによる雇用情勢の変化 – 人生を楽しむためのお金の使い方 https://t.co/F5lAit8zLA
— めぐる@資産形成ブログ📝 (@fpmeguru) April 20, 2020
今回はめぐるさんのブログ記事を参考に弊社の取り組みを語っていきます。
弊社の生業について
弊社はプラスティック切削加工の製造業を生業としています。
従業員は20名ほど、中小企業より下の零細企業の中に入ります。
弊社は下請け企業で取引先からの図面による依頼を受注し、製品を納めることで利益が生じます。
弊社は『営業部署』がない為、弊社Webサイトにて新規の方からの見積もり依頼が来ます。
弊社は精密微細加工の精度、寸法精度や同心度といった精度にこだわった【ものづくり】を得意をしております。
率直なところ、複雑形状などは同業他社の方が得意としているかもしれません。
しかしながら弊社は『プラスティック専門の精密微細加工』という超ニッチな業界に属しており、ニーズも限られています。
このご時世、誰にでも他の人でも出来ることをやっていては仕事になりません。
弊社は創業社長である前社長の取り組み、【差別化】を実行したことで現在は国のプロジェクトに携わる取引先様との強固な取引ができています。
他社では決して真似できないことを行なう。
それが弊社です。
雇用調整を行なうことになったいきさつ
弊社の財務は健全です。倒産の危機には瀕していません。
しかし取引先からの受注が新型コロナウイルスによる影響で経済活動にブレーキがかかり、激減しました。
昨年末〜今年1月まで受注状況は過密状態でした。
それが現在は文字通り、手持ち無沙汰。
手が空いてしまう社員がいます。
弊社は高難度の加工能力がある社員が限られています。
手前味噌で言うと、私もその1人です。
新人を始め、難易度の高くない加工や高難度の前加工を作業している社員はどうしても出来る仕事が限られて来る。
弊社の仕事は誰にでも出来ない。それは社員にも言えます。
階級制度はありませんが高難度の加工が出来る社員は正直少ないです。
受注が減った今だからこそ出来ること
ダイヤ精機株式会社・代表取締役:諏訪貴子さんが著書やインタビューで仰っていました。
ダイヤ精機様のWebサイトはコチラです。
ダイヤ精機様は治工具のスペシャリストで弊社とは業界は違いますが、同じ製造業です。
インタビューの記事はコチラです。
この方とは実際にお会いしたことがあり、サイトにもあるサインをいただきました。
そして私とのツーショットと握手もさせていただきました!
分野は違えど同じ製造業の方の掌。
女性らしい、小さな掌でした。
妻の社長就任が決まった時、真っ先に『この方を参考にしよう』と思いました。
諏訪貴子さんの著書はもちろん買い、何度も読み返しては弊社に活かすことは出来るか?
それを模索していました。
あの時に夫婦でもがいた苦しみがあったからこそ、現在の弊社があります。
そして現在、仕事が来ない今だからこそ普段なら出来なかったことができる。
“時間”があるからです。
作業標準・加工マニュアルの作成
弊社は加工担当者がノウハウを蓄積させております。
その為、加工担当者が突然いなくなった場合、最悪その加工は誰にも出来なくなってしまいます。
これは弊社だけの問題ではなく、取引先との信頼関係にも直結します。
そこで弊社は作業標準、つまり加工マニュアルの作成に取り掛かりました。
最初は取引先からの図面にメモを残していましたが、それでは不十分でしたので以下のことを実行しております。
・Wordによる作業標準書の作成
・手書きによる作業標準書の作成
1つの方法ではなく複数の方法で加工ノウハウを社員個人から吐き出させて、それを社内全体で活かす。
こうすればそれを足掛かりに作業ができる。
たとえ高難度の仕事でも適切な情報があれば出来る様になる。
こうした狙いは妻が社長に就任する前から構想がありました。
私の場合は以下のことを取り組んでおります。
・それらを社内クラウドにて保存
・社内の機器であれば社員が閲覧可能、プリントアウトも容易
私の取り扱っている工作機械は扱うだけでも高難度のものですが、それを“誰にでも”使用できるようにすることが使命となっております。
弊社オリジナル商品を産み出そう
この発想は、実は私が弊社に入社時に宣言したことでもあります。
『これだけの技術力があるのだから、それを活かして自社オリジナル製品を作りたい』
そう思い、入社時の挨拶で社員の皆さんに宣言しました。
その想いはいつの間にかひっそりと鳴りを潜めていました。
そして私は出会いました。
HILLTOP株式会社様です。
YouTubeチャンネルもあります。
HILLTOP株式会社様は切削アルミ加工を生業としており、ウォルト・ディズニーやNASAから直接依頼があるほどの金属加工のスペシャリストです。
HILLTOP株式会社・代表取締役副社長:山本昌作さんのことはダイヤモンドオンラインに数多くの記事があります。
山本昌作さんの著書ももちろん持っています!
HILLTOP株式会社様、山本昌作さんのモットーである「楽しくなければ仕事じゃない」。
この言葉は真意だと思います。
楽しくない仕事をやっていても長続きしません。
嫌々と続けている仕事に将来、未来はあるのでしょうか?
HILLTOP株式会社様の山本昌作さんにも実際にお会いしました。
この時にはセミナーへ参加するといった目的で当時専務であった妻と共に行きました。
その時は講演時間前に到着したこともあり談話や写真撮影、握手と講演前からテンションが上がりました!
命に関わる大火傷で重体の状態から生還された山本昌作さん。
その掌は職人気質の、ゴツゴツとしたいい掌でした。
講演中の質疑応答では緊張しながらも私なりに思う弊社のことをお伝えし、真摯に回答してくださいました。
諏訪貴子さん、山本昌作さんは妻が社長になると決定した段階から是非お会いしたいお二方であり、憧れの方達にお会いできた当日は夢の様な時でした。
そうしたHILLTOP株式会社様の、「楽しくなければ仕事じゃない」。
この考えを弊社にも導入して行こうと決意した日でもありました。
そこでこの時間のある今だからこそ、弊社の技術力を知っていただこう。
その想いから社員がアイデアを出し合い、弊社オリジナルの製品を製作することとなりました。
何事も現状で満足しては、甘んじてはいけません。
貪欲なまでに情報を仕入れ、それらをアウトプットしていき会社が進化していく。
そうすればこの逆境を乗り越えられるのではないか。
私はそう確信しております。
なお身元が判明してしまうと私だけではなく家族にも影響がある為、弊社社名及びWebサイトの公開予定はありません。
あくまでもこうした取り組みをしている、という面を見ていただきたいと思います。
雇用調整期間中の私自身のこと
私は週2日休みとし、自宅にいる間は今までできていなかった読書。
それにブログ更新といった『自分のための時間』の充実を図ろうと思います。
万一社内で何かあった場合はLINE通話、ZOOMでのビデオ通話を利用して指示を出したり、やり取りが出来る様にしています。
基本的には休業日は在宅する予定です。
終わりに
今回は雇用調整の伴うことでの弊社の改革、
及び尊敬するダイヤ精機株式会社様・諏訪貴子さん。
HILLTOP株式会社様・山本昌作さん。
お二方のことを紹介しながら弊社での取り組みをご紹介しました。
なお、タグでは敬称略とさせていただきました。
いつまで続くか解らない新型コロナウイルスの影響。
それらに負けない力を、会社と社員が身につければ必ず道は開けます!
ココロをゆたかに。